舞姫〜MaiHime〜
Ⅵ,舞姫
1,舞闇‐Maiyami-
ゴーストの倉庫は大きく,闇に包まれていた。
あたしの心と同じように深く闇に包まれていた。
きっとこれがあたしの運命で。
あたしの使命で。
「恐怖」はあるけど「後悔」はない。
あたしが総長として,皆の為に出来る事はきっとこのくらいしかないから。
ここで舞蝶を潰す訳にはいかない。
いつまでも,№1として輝けるまで。
歴代として名前が刻まれれば,それがあたしが舞った証。
最後の最後まで舞った総長。
・・・なんて。
自惚れすぎか。
隣を歩く男,柊の隣に立っていればいいだけ。
それだけのことなのに。
頭に浮かぶのはやっぱり空輝の顔だった。
あたしをそう変えたのも,きっと彼。