片思い?両思い?


「もうさ・・・・・はぁ・・・送る・・・」

「え・・・あ、はい・・・」

やっぱり帰らなきゃダメなんだ・・もう少し一緒にいたかったのに・・・。

私から離れてドアを開けようとする日向先輩の、服の裾を少し掴んだ。

「もう少し・・・一緒にいたらダメですか・・」

顔は火が出るんじゃないかと思うくらい・・・。

心臓は飛び出すんじゃないかってくらい、ドキドキしてる。

「茜・・・」

日向先輩の顔を見ると、困ったような顔・・・。

あ・・また・・こんな顔させたいんじゃないのに・・・どうしてこうなっちゃうのかな・・。

「ご、ごめんなさい・・・帰り・・きゃ・・・」

ふわっと体が持ち上がったと思ったら、抱き上げられていて、

「え?あの・・・せ、せんぴゃい・・・」

「プッ・・・笑わせんな」

「え・・・だって・・・」

何?なにをしようと・・・。

「もう・・ムリ」

ムリ?・・・なにが?・・・付き合えないって事?

やっぱり振られちゃうの?


そのままベッドに下ろされて・・・

え?・・・ええ?・・・えええ?

「あ、あの・・・」

「俺を誘った茜が悪いんだからな」

「さそ・・・った?」

「・・・自覚ねーのか・・・」

「え?」

「せっかく我慢して帰そうと思ってるのに・・・なんで素直に帰ってくれねーかな・・・」

困ったように笑う日向先輩が・・・・・やっぱりカッコイイ・・・。

・・・なんて!暢気なこと考えてる場合じゃなかった。

「・・・もう、ムリだから」

「え・・・」

「帰さない」

・・・帰らなくてもいいのは・・・嬉しい・・・でも・・意味が違う!

「ま・・待って・・・」

「ダメ」

「ちょっとだけ・・・」

「だ〜め」

可愛い言い方にキュンとしてしまう。











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