片思い?両思い?


そっと唇が離れると、日向先輩に抱きしめられた。

「・・あのな・・」

「・・・うん」

「・・茜がどんなに馬鹿でも、ドジでも・・嫌いになんてならねーから安心しろ」

「え・・・でも、怒ってるんじゃ・・・」

「怒ってなんてねーよ」

「ほ・・んと?」

「ホント」

「・・・よかった」

私は日向先輩の背中にそっと手を回す。

よかった・・・。

「・・・俺は良くねぇ・・・」

ボソッと呟く。

体がそっと離れたと思ったら・・・唇が重なる。

「・・・ん・・・んん?・・・」

初めはゆっくりだったけど、どんどん深くなっていく・・・。

い、息が・・・少し唇が離れて息を吸うと・・・・

あぅっ・・んんんん〜?

ちょ・・・・ちょ、ちょちょ・・・

こ、これって・・・これってぇ〜・・・。

後ろはドアでふさがれていて、身動きが取れない・・・。


目を開けると日向先輩の長めの睫毛が見えた。

・・・日向先輩・・・。

そっと目を閉じて・・・先輩に任せた。


「・・ふぁ・・・」

唇を離したと同時に声がもれて・・・恥ずかしいよ・・・。

「・・・はぁ・・・やべーって・・・マジやばいって・・・」

私の肩に顔を乗せて何度も「ヤバイ」を繰り返す。

・・・何がそんなにヤバイの?

「日向先輩?」

声をかけると、顔を上げて私を見る。

うっ・・・カッコいいんですけど・・・。








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