とりかえっこしようよ
「おーい、光!」



 教室のドアから顔を出して、カズくんが呼んでいる。


 カズくんとは小学校の6年間、ずっと同じクラスだった。


 極度の人見知りの私にとって、カズくんは貴重な男友達。


 中学生になってからは、男子とほとんど話したことがないかも。




「なあに?」


「あのさ、次の時間地図帳使うんだけど、今日持ってきてるか?」


「うん、あるから使ってもいいよ。でも、5時間目までには返してね」


「おう、サンキュ!」



 机から地図帳を取り出して、カズくんに渡した。


 カズくんったら、私の頭をくしゃくしゃってなでていなくなった。



 ちょっと前まで私のほうが大きかったのに、いつの間にか180センチになって、見下ろされてる。なんか変な気分。


 ぶっきらぼうで、ちょっと強面なんだけど、ホントは優しいところもあるんだ。


 バスケで全国大会に行ってから、女子に騒がれてるみたい。


 いっくんとも一番仲良しだったカズくん。


 小学校時代、たまにいっくんの話をしたこともあったっけ。



 


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