「俺とキスしてみない?」
「んん……」

くぐもった声を上げながら、アリサは両手を俺の首にまわす。

俺は、唇を少し浮かせ、そのまま、首筋に這わせる。

「……?!」

カサ、っと何かが動く気配がして、アリサは一瞬身をこわばらせた。

けれど、俺は無視して、そのまま胸元にキスの雨を降らせる。

ピクン、と体をのぞけらせて、声を殺すように、苦しげに息を吐く


「カイトぉ……」

喘ぎながら、俺の名前を呼ぶ。

「何?
 もしかして人に
 聞かれてるかもしれないって事に
 興奮してたりするの?」

意地悪く言うと、熱をはらんだ眼に、うっすら涙を浮かべて、俺をにらむ。

と。
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