求愛ラバーズ
肩を落とし、いじけた葛城さんを見てると笑いが込み上げてくる。




昼食をかけた勝負に自分から言った葛城は負けてしまった。





「よしっ。三井さんは何食べます?」


「葛城さんは?俺はまだ決まってないから葛城さんと一緒でいいよ?」

「じゃあー……B定食でいいですか?」


「ごちそうになります。」


「いいえっ。すいませーん!B定食大盛り2つー。」





大盛り!?





「葛城さん!?」


「どうしました?」


「大盛りって……。」


「もしかして三井さん、少食でした?」


「いや違うけど、やっぱり自分の分は払うよ。」


「ダメです!私が言い出したんだから大人しく奢られて下さい。」





財布を持った手を握られ、頷いてしまった。





何か言い返す前に定食が出され、葛城さんは先に行ってしまった。




「三井さん、早く食べましょ!」





既に席に着いている彼女は掌を合わせ、合掌のポーズをしている。




その姿に笑みが溢れ、俺も隣に座った。





「いただきます。」


「召し上がって下さい。」





葛城さんが大盛り頼むなんて意外だな。




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