求愛ラバーズ
泣きそうな表情を浮かべる葛城さん。





どうすればいいんだ。





「私の事…本当に知らないの?」


「葛城さん?」


「年の差だって気になるの。三井さんは大人でしょ?本当に私でいいの?疲れるよ?うんざりするかもしれないんだよ?」


「年の差なんて関係ない。たった6歳差じゃないか。疲れないし、うんざりもしない。」


「三井さんは…葛城ありさが好きなの?」


「だからっ、何度も言って…。」





泣きながら微笑んだ葛城さんは、声を出すなと言うように俺の口元を手で覆った。





「うん、わかった。三井さんは悪くないから…もう、何も言わないで。」





開のボタンを押し、葛城さんはエレベーターを降りてしまった。





壁に凭れズルリと座り込む。





ゆっくりと閉まるドアの隙間からとうとう葛城さんが見えなくなってしまった。





行き場のない気持ち。





「…クソッ。」





どうしようもない怒り。





やっと話せたのに、捕まえる事が出来たのに、本気で気持ちを伝える事が出来たのに…何がダメなんだよ。





無惨に終わったラストチャンス。



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