求愛ラバーズ
LOVE.7 -パーティー-
あれから、俺も葛城さんもお互い避けるようになっていた。





会っても会釈程度。





問い詰めそうで、無理強いしそうで弱気になった俺は避けてしまっていた。





「今日は全社員定時で上がるのはわかってるよな?今日の業務は全て終らせるように。」





朝礼で戸高さんが言った言葉に桑畑の顔が引き吊る。





3月も半ばに突入した。





決算も漸く終わり、慌ただしい日々も過ぎ去った。





今日は、天宮グランドホテルでパーティーが催される。





他社のお偉いさんとの交流ではなくて、天宮に勤める社員の為のパーティー。





支社はどうなのかわからないが、本社では毎年催される。





これは、会長が決めたらしく社員を労うパーティーみたいなもの。




正装はしなくていいし、飲み放題食べ放題で毎年3月の3週目の金曜日と決まっている。





なぜ金曜日かというと、次の日は会社が休みの為終電がなくなっても酔い潰れてもいいように、タダでホテルに泊まれる事になっている。





温泉やエステもタダという事で毎年、女性社員の宿泊率は高い。




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