求愛ラバーズ
会場の中央に設置されたステージに会長から並んでいく。





それはどうでもいいんだ。





なんで…なんで、葛城さん?





周りの社員もそれに気付いてザワザワとしはじめる。





マイクを通じて咳払いが聞こえ、また会場は鎮まりかえる。





「まずは、お疲れ様。
君達の仕事ぶりは聞いている。私は、君達社員を誇りに思う。これからの仕事ぶりも楽しみにしているが、今日は君達に楽しんで欲しい。思う存分楽しんでくれ。」





会長の話が終ると、拍手の嵐。





重役達は慌てる様に会長の元に向かった。





「俺も行ってくるか。」





そう言って戸高さんも会長の元に行ってしまった。





それを目で追って行くと葛城さんに視線が止まる。





葛城さんは社長夫人となにやら話している。





会社で見ていた時よりもさらに色気のある姿。





背中の開いた、スリットが深くはいった黒のドレスを着ている。





近付きたい………けど、近付けない。





一瞬だけ目が合ったのに、すぐに逸らされてしまった。





―――――――葛城さん。




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