求愛ラバーズ
学校が終わったら友達と優雅にお茶会と思ってた。





それがありさで覆されたんだけどさ。





ありさの努力は凄いと思う。





家も親も金持ちで一生楽して生活出来るだけの資産はあるのに、そんな事を考えるなんてやっぱり凄い。





一般人からして見れば普通なんだけど、わざわざ転科して資格獲って名前まで変えて会社に紛れ込もうなんて普通ないだろ。





「でもね、やっぱりダメだった。資格獲ってもそれは最低限の事で、実際会社に入って仕事をしてみると全然役に立たないの。私は役に立つんだって、自分を過大評価してた。そしたら社員の人に申し訳なくなっちゃって………。」





自嘲気味に話すありさだが、俺そう思わない。





実際、テキパキと仕事をこなすし仕事の評価はよかった。





「それで、どれだけ自分が力不足なのか痛感出来たし高校も卒業したし、祖父の元に行って一から叩き込んで貰おうと思ったの。」


「力不足なんて誰も思ってないんじゃないか?」


「私の事は私が一番よくわかってるつもりなの。」





吹っ切れたようにニッコリと笑みを浮かべるありさ。




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