求愛ラバーズ
じゃあ、俺はどうすればいい?





両想いなのに付き合う事は出来ないのか?





「ねぇ、三井さん。私が帰って来るまで待っててくれる?」





―――――――そんなの…





「当然だろ?」


「ふふっ、よかった。私、頑張るから…。」


「会えない変わりに毎日電話とメールしていい?」


「それって、私のセリフじゃない?」


「30前の男でも淋しいんだよ。それに、浮気されたら堪らないし。」


「三井さんこそ浮気しないでよ?」

「するわけないだろ?」





浮気なんてするはずがない。





俺の心は全部ありさに持って行かれたんだから。





「どうする?部屋……取る?それとも……帰る?」





妖しく視線を絡められ、言葉が詰まってしまった。





どこまで―――…どこまで惚れさせるんだ。





「私が帰って来たら――――。」





顔を隠すように手で覆うが、隠しきれてないんだろう。





年甲斐もなく赤面してしまった。




“私が帰って来たら、めちゃくちゃに壊れるほど愛して…宗士。”




なんて言われたら仕方ないだろ。30の男をからかうなよ……。




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