あたしとリュウイチ
あたしは配られたプリントを見て
自分のクラスを確認した。
するとすぐ小塚が
横からのぞきこんできた。
『おっ、マミ。数学一緒やなあ。あ、英語と理科も一緒やん』
『そうみたいね』
『3つも俺と一緒で嬉しいやろ』
『はあ?頭おかしいんじゃないの』
『はい、間違いとか問題ないですねー?』
木崎先生は教室内を見渡しながら
そう言った。
『では、受験までもうあと半年です。夏期講習も含めて一緒に頑張りましょう』
木崎先生の言葉はいつも
生徒に呼びかけるものだった。
大人とのコミュニケーションなんて
全部一方通行だって思ってたあたしにとって
彼の言葉はどんな時でも
とても暖かく感じた。