出世魚
し か し・・・

私の意に反して
黙々と作業を進める久江さん。

ですよねー。

彼をチラ見しながら
仕事をする私の手は止まりがち。

案の定 反対側からやっていた
彼が私の列まで来た。

「この上のヤツやった?」

「いえ、手 届かなかった所は
まだです。」

久江さんが手を伸ばすと
難無くスキャンできる。

背 高いんだもんね。

高いところは任せて、
私は終わっていない部分を
急いでスキャンする。

しゃがむ私。

つま先立ちの久江さん。
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