合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです
式の後、広尾のガーデンレストランで結婚祝賀パーティーが開かれた。

あたし達に負担にならないようにと、会費制で、プレゼントも千円以内という、白石と森山の取り計らい。

店の奥の主賓席に座らされたあたし達二人に、お祝いの言葉とプレゼントを渡すため、長い、長い列ができた。

「柏木先輩、木村課長、ご結婚おめでとうございます。
あ、これ、僕の自作の胎教CDです。
お昼寝のバックグランドミュージックとしてもいけるかと」

と、真面目な顔の営業一課の小山くん。

「柏木先輩、木村課長、おめでとうございます。
これ、赤ちゃんのエプロンです。
母に聞いたら、こういうのはいくつあってもいいんだって。
元気な赤ちゃんはよだれがいっぱいでるからって」

と、真っ赤になって私にプレゼントを手渡してくれたのは、企画室庶務の山口さん。

「裕子、木村さん、おめでとう!逃げられないように、これ!」

と、あたしと雅樹の腕に手錠をはめたのは舞子。
< 105 / 215 >

この作品をシェア

pagetop