合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです
「裕子さん、木村課長、おめでとうございます!
これ、僕だと思って可愛がってやってください!」

って、白石が抱えてきたのは、奴と同じくらい身の丈のあるでっかいテディベア。

「あんた、これ、千円じゃ無理でしょ!」

って、あたしは受取りを拒否ろうとしたんだけど、

「僕はこのパーティーの主催者なんで、特例です」

と突っぱねられた。

続々と届けられるプレゼントに、わたし達のテーブルは埋め尽くされた。

「お前って、隠れファンが結構いるんだな……」

と、雅樹がボソッと呟く。

「だね、なんか嬉しいような、恥ずかしいような……」

「こんだけ騒がしたら、別れられないな、俺達」

「だね」

「だが、よくこれだけ人が集まったな」

「ほんと、食堂のおばちゃんまで来てくれてた」

「白石って奴は……」

「白石先輩は、会社中にビラ撒いてましたからね。勿論、僕も一緒にですけど。見ます、ビラ?」

と、森山がニヤケタ顔で一枚のチラシを手渡してきた。
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