合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです
「俺たち、実は寮が一緒で、随分前から知り合いなんです」
「で、僕は去年から、白石先輩に柏木さんの話をずっと聞かされていて」
「なに、あることないこと吹き込んだんだ? 白石?」
「え、先輩なんか誤解してません? 白石先輩は柏木さんのこと褒めちぎってましたよ。まぁ、それがあることないことなら、そうなんでしょうけど」
あたしは、こんな若造に褒めちぎられる理由も根拠も持ち合わせてない。
「だいたい、あたしは女だし。なに褒めるんだか……」
「だからぁ~、女性だからですよ。女性なのに、仕事ができる。付け入る隙もなく完璧に仕事をこなす。それでもって、一切女の武器を使わない」
「使えない、の間違いでしょ」
あたしは、自己評価、色気ゼロ。
まったくもって、男前としか言いようがないと、自分でも自覚してる。
だから、スカートも一切履かないし、胸元の開いた服も着ない。
そんなの邪魔だから。
あたしが、あたしを通すのに邪魔だから。
「で、僕は去年から、白石先輩に柏木さんの話をずっと聞かされていて」
「なに、あることないこと吹き込んだんだ? 白石?」
「え、先輩なんか誤解してません? 白石先輩は柏木さんのこと褒めちぎってましたよ。まぁ、それがあることないことなら、そうなんでしょうけど」
あたしは、こんな若造に褒めちぎられる理由も根拠も持ち合わせてない。
「だいたい、あたしは女だし。なに褒めるんだか……」
「だからぁ~、女性だからですよ。女性なのに、仕事ができる。付け入る隙もなく完璧に仕事をこなす。それでもって、一切女の武器を使わない」
「使えない、の間違いでしょ」
あたしは、自己評価、色気ゼロ。
まったくもって、男前としか言いようがないと、自分でも自覚してる。
だから、スカートも一切履かないし、胸元の開いた服も着ない。
そんなの邪魔だから。
あたしが、あたしを通すのに邪魔だから。