合縁奇縁~女は欲張りな生き物なのです
「やっぱ、先輩、自分をわかってないなぁ~。だから僕たち『男前な女の地位向上を支援する会』作ったんですよ。先輩のために」

「柏木さんは、自分の魅力をわかってない。それを僕たちが証明する。そういう趣旨の会ですよ」

暫く森山に座を譲って喋らせていた白石が、嫌に真面目な顔であたしに向き直った。

「なに? それ?」

「僕たちは、男として柏木さんに惹かれてる。あなたは、女性としても十分魅力的なんだって自覚して欲しいんです」

「そ、そんな必要はない!」

あたしは、思わず立ち上がった。

あたしを女として見ていいのはあいつだけ。

あいつだけで十分なんだ……

こいつらに何が解る。

そんな地位向上は、こっちから願い下げだ。

大人げないとは思ったが、あんまり馬鹿馬鹿しくて居たたまれない。

あたしはバックを掴んで、店を出た。
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