フェイクハント
　応接間の祭壇の前に、再び集まった涼と典子と雪絵と秀樹の四人は、俯いて黙り込んでいた。重苦しい空気が漂い、まるで日常とはかけ離れた別世界のような雰囲気だった。

　やがて騒々しく入ってきた刑事に、お通夜の時のことを訊かれ、四人は説明した。

　すると、一人の若い刑事が、口の端を持ち上げ、薄笑いを浮かべて云った。


「一人でトイレに行く時間もあったのなら、全員アリバイはないってことだな」


「ふざけんな！　俺達はチェスターでもねぇし、大事な仲間を殺したりしねぇよ！」


　刑事に殴りかかる勢いで、秀樹が怒鳴った。


「それも演技という可能性だってある」


「何だと！　ふざけんな！」


「今にも俺に殴りかかってきそうだな。お前が犯人じゃないのか」


　若い刑事は下品な笑い声を出しながら、秀樹を挑発するような言葉を続けた。

　すると、丁度篠田が部屋に入ってきた。

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