わたしと保健室と彼~4つのお題+α


「先生っ!」


 勢いよくドアを開けたあたしを見て、先生は目を瞬いた。


「冴さん…?どうかしましたか」

 その手には、あのお見合い写真―――


 怯むな、あたし!

 そのままの勢いで目の前まで歩いていく。
 そして先生から、それを奪い取った。


「これ、どういう事!?」


 顔の前に、開いたお見合い写真を突きつけた。

 持っている手が、震えてる。

 本当は、すっごく怖い。

 お見合いするんだって、結婚するんだって言われたら――

 そう、思うだけで。


 前の彼氏も、そうだったから。

 いきなり現れた女は妊娠していて、結婚するんだと聞かされた。


 あの時もつらかったけど、先生に同じことされたら、絶対にもっとつらい。


 先生の方が、――好き。

 気持ちを比べちゃいけないんだろうけど、比べるまでもなく。


 もっともっと、好き。


 こうしてる間にも、涙が込み上げそうになる。

 口を固く結んで、やっと耐えてるけど。


「――冴さん…寝てなくていいんですか?」


 それだけの勇気を振り絞ったのに、先生から返ってきたのは脱力する位、見当違いな答えで。


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