運命の恋~先生を抱きしめたい~
私と母は思い出のつまる家を出て
マンションに引越しした。



贅沢な家だった。


今思えば・・・・・



「もうこんなひろい部屋じゃないわよ。」

母が言った。



「いいよ。
こんなに広くたって居場所は決まってる。」




「ありがと・・・・
思い出を・・・・・・
この家のために必死に働いてきたけど
なんだかスッキリした感じだわ。」



「ママ、頑張って。」



「あなたもね。一緒に頑張ろう。
紅がいてくれてよかった。」


母は私を昔みたいに
抱きしめた。



さよなら・・・パパ・・・・
家を後にしながら

父を残してきたような気がした。
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