ドライヴ~飴色の写真~
「十雨くん、なんで、私なの?」


 ボタンが、一つ、はずされる。


「ずっと夢見ていたし、憧れていたし、想像していたよ。先生を、征服することを」


 ボタンがまた、一つ、はずされる。
 カメラを構えて、シャッターを切る。


 やがて、ベストが腕のところまで下げられた。

 また、写真を撮った。

 …気が、遠くなる。


「ねえ、やるならさっさとやってくれない」


 私は、そう言い放つのが精一杯だった。


「だめだよ、先生。全然それじゃ。オレの想像していたのと全然違う。もっと泣き叫んで抵抗してくれないと」

「まわりに気づかれちゃってもいいの?」


「ちょうど今、他の住人はほとんどいないよ。この辺は人通りも少ないし。…残念でした!」

 同時にブラウスの前を、引きちぎるように開けた。


「うわっ!」

 さすがに思わず声が上がった。

 でも、十雨くんは不満そうだった。


「先生、もっと。もっとだよ」


 またカメラを構える。

 上半分くらいボタンが飛び、下着が見えている。
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