ドライヴ~飴色の写真~
「どうしたの、敬ちゃあん。そんな、お願いなんて珍しいわねェ」

「実は、しばらく喫茶店の駐車場を1スペース貸してほしいんだ」

 ユキちゃんは、目を見開いて驚いた。

「まさか敬ちゃん、ついに免許取れたの?」


「まさか」

 私は思わず、いけない3文字を口にしてしまっていた。


 篠さんが、大きな咳払いをする。

「いや、オレじゃなくて、このなぎさんの車を停めたいんだ」

「なぎちゃんの? なんでまた」

「しばらくオレの事務所で一緒に暮らすことになったからだ」


 ユキちゃんがハッと息を飲む。
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