ドライヴ~飴色の写真~
「ちょっとちょっと。なんか表現が艶めかしい」

 慌てて訂正しようとした私の両手を、ユキちゃんが大きなゴツゴツした手で握りしめてきた。

「なぎちゃん! 敬ちゃんを幸せにしてあげてね! アタシじゃいくら幸せにしてあげたくても無理だもの。お願いよぉ!」

 思いがけず、おっさんの、複雑な乙女心をここに見てしまった。

 篠さんは、そんな私達を、死んだ魚の様な目で見ていた。


「……ありがとう、ユキちゃん。じゃあ、契約成立ということでいいんだな」

「ええ。月二万でいいわよん」

「高え!!」

 珍しく篠さんが叫ぶ。

「ここは一等地だもの。それに4台中1台分のスペースを貸すならそれぐらいが妥当だわよん」

「どうせ、ほどんどいつも空きスペースじゃないか」


 篠さん、それは地雷。
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