ドライヴ~飴色の写真~
   〈2〉

「よく、あそこから3千円にまでまけてもらえましたね」

「ああ。ユキちゃんは、横顔のオレに弱いらしい」

「どんなシチュエーションと構図?」

「なぎさんも見てたろう」

「見てても、なんかよくわかんなかったですよ。いろんな意味で」


 そんな会話をしながら、私達は事務所の奥の空き部屋を掃除していた。
 なんと、この部屋を貸してもらえるらしい。

「てか、私、駐車料金とか払わなくていいんですよね」

 私は大切な事項を確認する。

「………。まあ、いずれどうせ借りるつもりだったからな。別にいいだろう」

「篠さん、優しい~い」

 私は、自分の中で最上級の笑顔を作った。

 よし、これで5千円分にはなったな。
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