ドライヴ~飴色の写真~
「文乃、よく言った! その通りだよ」

 弥生が、それに元気良く賛同する。

「春日よりも、篠さん! そうでしょ、和紗」

 ここで、なぜその名前が出てくる。

 弥生の言った、篠さん、とは《篠敬太郎(シノケイタロウ)》という教習生のことだ。
 探偵である彼と、先日とある事件を一緒に捜査してから、確かに少しお近づきになれた感はあるが。

 でも、とてもではないがオードリー春日ほどの勢いが、彼にはあるとは思えない。

「言っとくけど、本当篠さんとはどうにもなんないから」

 私は、改めてそう宣言してみた。

 ところが、弥生はにやりと不敵な笑みを浮かべる。


 でた。


 弥生がこの笑顔の時は、何かを企んでいる時だ。
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