僕の唄君の声



奏輔が玲の名前を呼び、2人が立ち去る寸前。
どうしたのかと慌てて玲に問えば、玲は部活だと言った。その顔はやばいって感じもしたけど、なんだかキラキラしていた。



ふとそんなことを思い出していれば、華己が隣にやってきて私に話し掛けた。


「壱葉、大丈夫?」


「へ、何が…?」


「さっき、肩触られたとき震えてたでしょ?だから、大丈夫かなって」



そう言いながら苦笑いをした華己に申し訳なくなり、慌てて大丈夫だよと返事をした。



「無理、してない?」


「うん、ホントに大丈夫。」


「そっか。…そういえばさ、」


「うん?」


「なんで玲くんは大丈夫なの?」





………ん?





「ドウユウコト?」


「なんで片言?…頭撫でてもらってたとき、壱葉震えてなかったじゃない。」


「マージでー!」


「マージよー。」



そう言われてしまえば、想い出さずにはいられないのが人間の本能で。勝手に私の脳みそはついさっきまでの出来事をリピート再生してくれちゃったりした。




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