姫密桜
「とっても
 お似合いだよね」

「・・うん、そうだね」

あの、コンビニの一件が
あってから、彼女は槇に
弟さんの事をいろいろと
相談するようになった。

二人の距離は急速に
近づいていった。

彼女は、あの日から
槇の事を、私と同じよう
に、名前で呼ぶ・・・

彼女が、槇の耳元に
唇を寄せて何かを囁く。

「マキ
 サクラちゃん・・・」

槇は、私を見つめて

「サクラ」

名を呼び、手招く・・・

私の事を呼ぶ、槇の隣
で彼女は、槇を見つめて
少しだけ悲しい顔をした
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