姫密桜
「・・・やっぱり
 無理だよね
 
 誰か、一緒に過す人が
 いるの?」

「いやっ、そうじゃない
 ただ・・・・・・」

「ただ、何?」

彼女は、潤んだ瞳で
槇を真っ直ぐに見つめ
問いかける。

「マキは・・・
 
 クスミさんが
 好きなの?」

槇は、驚く。

そして、さっき同様に

すぐに、答える事が
できないでいた。

何も言わないのは

きっと
そうだから・・・

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