姫密桜
「馬鹿
 そういう言葉を
 こんなところで言うな」

私は槇の言葉に、立ち止まる。

なんだか

悲しい気持ちになっていく。

槇の何気ない言葉で

私の心は、こんなにも

不安で、いっぱいになる。

槇は、私の顔を覗き込む。

「誰かに聞かれちゃ
 もったいないだろう?」

「なんだぁ~

 そうだね」

私の耳元で、貴方は小声で囁く

「サクラ、愛してる」

「マキだって言ってる」

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