姫密桜
マキ、彼女の事が
気になるんでしょう?

私の眼差しは、槇に
そう、訴えかける。

ねぇ、彼女が
心配なんでしょう?

槇は、私に一度だけ
微笑んだ後

私から目を逸らし
食べかけのまま
お弁当箱の蓋を閉じた。

下校時間・・・

私が見つめる

瞳の奥に

二人の姿が映る。


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