姫密桜
二人は
何か会話を交わす。

彼女は、槇の左腕を取り
両腕でしがみ付き、甘える。

二人だけの時間。

本当は、槇と折口さんを
二人だけにしたくない。

青色で縁取られた時計が
付いている、槇の右手を
取って、手を繋いで
一緒に帰りたい。

でも
このままではいけない。

彼女は、槇の話をちゃんと
聞いてくれるだろうか?

分かってくれるだろうか?
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