姫密桜
槇の瞳に、私が映る。

槇の唇が、私の唇に触れる

高鳴る胸と共に、どんどん
激しさを増す、口づけ。

貴方が止まらない・・・

「マキ、駄目だよ
 
 カイちゃんや母さんが
 戻ってくるかも
 しれないよ」

「そうだな」

そう言って、槇はさっと
何も無かったように
私から離れていく。

頬の痣に指先で触れて
顔をしかめる。

置いてきぼりの
私の気持ち・・・

槇の背中に私は抱きついた

「マキ、駄目かなぁ
 
 駄目だよね?
 
 ここでしちゃいけない」
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