姫密桜
「そうだよ
 
 お前は、俺にとって
 大切な存在だ」

「カイちゃん、マキ
 ありがとう」

「大切な存在?

 マキ、言っとくが
 サクラの独り占めは
 許してねえからな」

そんな、櫂の言葉に
父は問いかける。

「カイ、お前は、その
 ・・・
 それでいいのか?」

「良いも、何も
 好き同士の二人を
 引き離すような野暮な事
 俺はしない・・・

 それに、よく考えたら
 バカな見ず知らずの男に
 サクラを取られるぐらいなら
 マキの方がマシ、そう思った
 だけさ」
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