姫密桜
「うそ
 もう、こんな時間なの
 
 私、行かなきゃ」

何も持たずに慌てて部屋を
出て行こうとする、桜。

「サクラ、待ちなさい
 鞄、忘れてる」

「あっ、本当だぁ
 ママ、ありがとう」

鞄を受け取ろうと伸ばした
私の手に触れる、母の温かい手

母は、私と繋いだ手を解いては
くれない。

「ママ?」

「サクラ
 今の、貴女の気持ち
 大切にしなさい
 
 本当の気持ちを殺してまで 
 アズサさんの為に、貴女が
 マキの手を放す事は無い」

ママ、気づいているの?

私の決意に・・・
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