先輩の背中
先輩以外の人がしゃべってることなんて、聞こえない。
諦めようと思ったって、やっぱり先輩が好きだから。
『僕はこの学校生活の中でたくさんのことを学び、とても大切な人を見つけました』
大切な人って…、先輩の好きな人のことだよね。
うらやましい。
こんな場面でこんな風に言ってもらえるなんて。
その人ずるいよ…。
「南、それって南のことじゃない?」
横から莉子がいつもどおりのノリで喋りかけてきた。
首をゆっくり横に振って、莉子のほうを見ずに言う。
「アタシじゃない…。
先輩、好きな人居るって言ってたから…」