HEMLOCK‐ヘムロック‐番外編
『パッパーー!!』
後ろの車にクラクションを鳴らされて、俺は車を進めた。
クラクションが鳴らされるまで、オープンカーで周りから丸見えなのにも関わらず、
俺から樒に長いキスをした。
好きとか、ノリとかじゃない。
彼女の小さな願いを、コトバの続きを、聞きたくなかった。
一瞬でも営業外で受け入れそうになった自分が怖かったんだ。
だから、きっとちょっと、俺は震えていたと思う。