HEMLOCK‐ヘムロック‐番外編
彼女のおかげで今日のシメ日は今までにないハイレベルな戦いになるだろう。
「昴」
「ん? 何?」
「楽しい?」
「すげぇ楽しいよ!」
「……うん!」
きっと樒に今の俺の嘘はバレていた。
だって樒は、なんだかとても悲しげだった。
閉店し、樒を送った後、聖邇が俺に話し掛けてきた。
「昴、お前、あれからJINさんの煙草どうしてる?」
「え……」
俺は聖邇が『HEMLOCK』という煙草をJINさんが5万で売っているのを見たと聞いてから、アレを客に勧めるのは止めていた。
何か尋常じゃない事な気がする。
「正直、最近は勧めてない。もともと俺の客には人気無かったし」
「……そうか」
今一瞬、聖邇の雰囲気が変わったのは気のせいだろうか?
「聖邇、なんか悩んでんのか?」
「……イヤ。何もない」
そう言うと彼は何故か外に出て行ってしまった。
正確には、聖邇が出て行く音と、誰かが「聖邇!サボんなよ!!」と声を掛けていたのが聞こえた。
俺は閉店作業にもどり、テーブルを片付け始めた。
しばらくしてテーブル上のあるモノに気づく。
(樒、キーケース忘れてる!)
「昴」
「ん? 何?」
「楽しい?」
「すげぇ楽しいよ!」
「……うん!」
きっと樒に今の俺の嘘はバレていた。
だって樒は、なんだかとても悲しげだった。
閉店し、樒を送った後、聖邇が俺に話し掛けてきた。
「昴、お前、あれからJINさんの煙草どうしてる?」
「え……」
俺は聖邇が『HEMLOCK』という煙草をJINさんが5万で売っているのを見たと聞いてから、アレを客に勧めるのは止めていた。
何か尋常じゃない事な気がする。
「正直、最近は勧めてない。もともと俺の客には人気無かったし」
「……そうか」
今一瞬、聖邇の雰囲気が変わったのは気のせいだろうか?
「聖邇、なんか悩んでんのか?」
「……イヤ。何もない」
そう言うと彼は何故か外に出て行ってしまった。
正確には、聖邇が出て行く音と、誰かが「聖邇!サボんなよ!!」と声を掛けていたのが聞こえた。
俺は閉店作業にもどり、テーブルを片付け始めた。
しばらくしてテーブル上のあるモノに気づく。
(樒、キーケース忘れてる!)