HEMLOCK‐ヘムロック‐番外編
「詳しい事は俺も……。まぁルートは外国でしょうね。中国系マフィア経由との噂も」
「ほう? 中国が新薬でも研究してたりしてな!」
「まさか」
何の会話してんの、この人達、
早くここから離れなきゃ……!
カタンッ
「誰だ!?」
「!! お前は」
スポーツカーにカバンを掠めてしまった音で私は簡単に見つかってしまった。
言葉が出ない。
「おい、知り合いか? 聞かれたんじゃあないのかぁ? 今の」
そう言う割にはオヤジの声に焦り等は感じられない。めんどくさそうなカンジ。
「仁、やれや」
そう言ってオヤジはJINにピストルを手渡した。
「そ、んな! 俺――」
「引き金引くだけだろ。テメェの知り合いならテメェでやれ」
どうしょう!! 私殺される?
今逃げても、オヤジの方が撃つかも? そもそもどこに向かって逃げればいいの?
「樒!!?」
その時地下駐車場に現れたのは昴だった。
彼の駆け寄る足音と声が地下に木霊する。
昴、来てくれたんだね。でもなんてタイミングでっ!!