HEMLOCK‐ヘムロック‐番外編
界が呼んだ救急車で、仁さんは運ばれて行った。一緒に来たパトカーから警察の人が出て来て、現場の検証を始める。
「黒菱 界!!」
セミロングの金髪、青目の女性がパトカーから降りて来た。
「よ! ご苦労様! 里中刑事!!」
「よ! ……じゃねぇし!! 麻薬の不正取引に一課のアタシを呼ぶな!
不正取引取締は二課の仕事なの! 一課は、殺 人 事 件!!」
これが俺と森永刑事との初顔合わせだった。
当時は森永刑事は再婚前で、旧姓の里中で呼ばれていた。髪型も今より短かめでちょっと若々しい。
……とか言ったら、本人に撲殺されるだろう。
「いや、死人が出てもおかしくなかったんだぜ?」
界は腿を撃たれた俺を指さす。
「とりあえずアンタも病院行きな。処置して貰ったら、参考人でしょっぴくからな!」
初対面の事から森永刑事は容赦なかった。
「あの――!」
俺はずっと気になっていた事を聞いた。
「俺は、大丈夫です。警察にも行きます。でも樒は――攫われたコはどうなったんですか!?」
「そのコならとっくに保護したけど?」
「ヤクザみたいなヤツに連れ去られて……
え!?」