花鎖


「・・・これは、兎?」
「あ!ユキ!」
「ユキ・・・?」

聞き覚えのない名前に、首を傾げつつ眉間に皺を寄せる青年。
少女は白兎の所へ駆け寄り、嬉しそうにその腕で抱く。

青年はまたもや不機嫌そうにする。

「レナ、その兎はなんなの?」
「先程お話していた、兎です!私、名前を考えたんです!」
「・・・ふうん?それで、ユキ?」

はい!と、尚も嬉しそうに満面の笑みを見せる少女。
いつもだったら、その笑顔を見たら己も笑顔になるところだが、青年は面白くなさそうにする。

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