花鎖


ガシャンッ!

また割れる音がした。
本日3回目である。

青年と兎が音のほうへ視線をやると、少女がカップを落としてた。
少女は、顔を青くし、瞳に涙を溜め、カタカタと震えている。

どうしたのかと疑問に思った青年。
しかし、それはすぐに分かった。

ああ、この腕の血か・・・。

赤く染まった腕は、ぽたぽたと血を流し、白い大理石の床を汚す。


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