花鎖


「お兄様!どうして、どうして!?う、腕が・・・!」
「レナ・・・、落ち着いて。僕のちょっとした不注意から起こってしまったんだ」

苦笑する青年を、心配そうに見つめる少女。

確かに青年の不注意から起こったことだった。
青年は白兎の言葉に反応し、逆上した。
そして、そのままその白い腕を赤く染め上げた。

全ては、青年の『不注意』から起こったことだった。

前もしたのになあ・・・。僕は学習しない子なんだろうか。

青年はまた苦笑する。
白兎は、深い赤の目で、青年の赤を映していた。


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