花鎖


兄は妹へ恋をし、妹はその狂気ともいえる愛を一身に受けていた。

兄は妹を花の鎖で繋いだ。

どんなに時が経とうと、はなれない鎖で。

どんなことがあろうと、はなれない鎖で。

花の鎖は、後に『花鎖(かさ)』と呼ばれるようになる。

自由を奪われても妹は兄を愛し続けた。

自由を奪っても兄は妹を愛し続けた。

< 2 / 28 >

この作品をシェア

pagetop