花鎖
Tribute to the love you crazy.


「ねえ、レナ・・・。僕はね、君が好きだ。君のことを愛してる。唯、それだけのことなんだよ?血の繋がった兄妹なんて、そんなこと知ってるんだ。だけど、だからなんなの?法律では駄目だとされている。近親相姦になってしまう。でも、唯それだけのことじゃないか。仮に僕と君が、母様から産まれてこなかったとする。そして、こんなおかしな一族じゃなかったとする。それでも僕は君に恋をして、愛する。そうなっても、今みたいになるだけだよ。だからさ、結局どのみち君は僕に愛されるってこと。でも・・・、今のままでいいかな。だって、こんなに君に触れられる。こんなに君を縛られる。これは、僕と君が兄妹だからだよ?兄妹っていう鎖で繋いでいる。それに・・・、一族の鎖で繋いでいるから。だから、この城には僕と君以外誰も居ない。そのほうが都合が良かったんだよね。・・・聞いてる、レナ?・・・って、ああ、そっか。ごめんね、聞こえてないか。ああ、こんなに冷たくなって」

青年は冷たくなった少女を抱きかかえ、髪を梳いてやる。サラサラと金色の髪が流れる。
そして青年は、低く呟く。


「戻そうか」

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