(KS)Brand new cherry.
「彼とは兄弟のように共に時間を過ごした仲だ。家族も同然だ」


そう言って力強い眼差しでみずきを見つめた。

その藤市の力強く真剣な眼差しに、みずきは挨拶へ行く事を了承した。

お互いの都合が合う二日後に、と。藤市はまるで子供のように喜んだと言う。


「どのようなお方か気になります。一体どのようなお方で、って。藤市さん」


並んで歩いていた筈の二人であったが、

気付けばみずき一人だけが取り残されているではないか。

藤市の姿は辺りをくるりと見回しても影すら見当たらなかった。
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