(KS)Brand new cherry.
幾らか談笑した後、二人と永の別れの時間が訪れた。

藤市はまた人が来るように沢山の人に知らせることを約束した。

また今度は道に迷わないように遊びに行く事も。

この森がまた人で賑わうには時間が掛かるが、

藤市とみずきならきっと一日でも早くにそれは実現するであろう。


「また来いよ」

「私も一緒で良いですか」

「当たり前だろう。ちゃんとお守りしてやれよ」

「僕は赤ん坊なんかじゃない。さ、みずき行くよ」


やや怒った様子で、藤市はみずきの手を引いて、里へと歩みを進め出す。

みずきは一度永の方を振り向いて、最後に一言だけ呟いた。
< 48 / 53 >

この作品をシェア

pagetop