晴男と雨女
再会とどたばた珍事件
~~~優貴斗サイド~~~

ちっさな女の子。
小学生に上がる前に会ったその子は今は何しているんだろうか?

始めてあったのは保育園。
俺はまだやんちゃで女の子のスカートをめくったり、先生を困らせていたそんなころだった。
いつも泣いている女の子が居たんだ。
「おかーさんー!いやだよーー!」
その子はお母さんと分かれるのがいやなのか?
それとも保育園にくるのがいやだったのか?
寝てる以外ずっと泣いていた。俺はそれを見ているのが嫌で遊ぼうと誘ってみた。
男の子の遊びなんてしないと思っていたから、ダメもとだった。その子は泣き止んでこういった。
「・・・ぶさいくだって・・いじめないの?」
その言葉に俺はキョトンとした。開口一番が不細工ってどんだけ苛められてたんだよ。
俺はこう返してやった。
「いじめねぇよ!ないてるからぶさいくっていわれるんだぞ!わらってりゃいわれねぇよ!」
その子は笑って嬉しそうにしていた。
その笑顔は俺だけに欲しいと子供ながらに嫉妬しちまうほどだ。


あれから何年たった・・・?
俺は17歳高校3年になった。
新しい一年が入ってくる。
俺のダチ共は、どんな可愛い子が入ってくるかと騒ぎ立ててるが、俺にはしったこちゃねぇ。だってよあいつ以外俺可愛い子なんてしらねぇもんよ。
「あの・・・優貴斗先輩?」
「あ?」
誰だこいつ?化粧が濃い・・・・
「これ受け取ってください!」
はいはい・・・ワンパターンなこの展開。呼び出して告白だろ。
「悪いけど俺ずっと思ってる女いっから受け取れないぜ。」
そういって突き返した。高校に入って80通・・・。いや、もっとあるだろう・・・。いい加減諦めて欲しいものだ。
「おい!優貴斗!!!!!面白れぇ女が入ってきたぜ!」
「何だよ、面白い女って?」
どうせまたそっち系の女だろう。いわゆるヤリ系の女。
「根暗。」
「根暗?」
また、根暗って何だよ。想像つくのは瓶底メガネにお下げなんだけど、まさかな!
「でも、あのナンパ師こと真二を片腕一本で薙ぎ倒したんだよ!」
真二って確か、イケメンで、ナンパ師で、空手部の部長だよな?
どんな女か気になって亮(あきら)につれられて教室を出た。


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