監禁ゲーム~ap~
清春の叫び声に、丸子は驚いて近づいてきた。
「ど、どないしたんや?サンタ」
なぜ、サンタなんだ?
しかし、今はどうでもよかった。
清春は力ない声で呟く。
「俺は最低だ……」
困った顔をし、丸子は頬を掻いた。
「んー、まぁ、元気だそや。なっ!」
「……あぁ」
清春はゆっくりと立ち上がると、ある場所に視線がいった。
「あれって……」
丸子は振り向き、平然に言う。
「あぁ。あれな」
それは丸子の彼女も、同じように倒れている姿だった。
「彼女にアイテムは………」
「んっ、やれへんよ。それがどした?」
あまりにもあっさりと答えた丸子に、清春は何も言えなかった。
疑問も驚きも怒りも生まれず、ただ悲しく感じた。


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