レイコーン

 
「おい、マール。タマゴが孵るぞ!」


タマゴが孵る。
ただ大きかったタマゴが。

 
パリっ。パリっ。
 

一枚一枚からがはがれ、

マールたちの前に中身が姿を現した。 

 
 
二人は息をのんでタマゴの中身を見た。
 
 
「・・・・・・・。」
 
 
 
「…。」
 
 
 

「…ねぇ、ニコス?」

 

「…何?」
 
 
「帽子って卵から生まれるんだっけ?」
 
 
 
少し間をおいてニコスが答えた。 

 
 
「…らしいな。布地は俺の舌には合わないけどな。」
 

 
「これ、食べれるの?」
 
 
 
「食べたいか?」

 

タマゴから出てきたのは緑色をしたとんがり帽子だった。
何の変哲もなく動きもない。
 
 
 
「これが、神鳥?」

 

マールがリリーに話しかけると、
リリーの羽から光が現れ2人に映像を見せた。
周囲は立体TVでも見ているかの用に幻想世界と変化する。


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