レイコーン
『契約の帽子:生まれつき魔力をもつ者と魔力を持たない者の契約の仲裁をする帽子』

中央に立体のタマゴが浮いていてリリーは説明をしだした。


「…契約の帽子か。初めて見た。」


ニコスがぼそっと呟き何かを考えているようだ。
マールはまだ、リリーに話を聞いていた。

「契約って?」
 

『契約:生まれつき魔力をもつ者と魔力を持たないものがある取り決めを行うこと。それにより魔力を持たないものが生まれつき魔力をもつ者の魔力を借りることができる。』
 
  
タマゴの映像のには他に年号や何種類ものタマゴが表示された。
  
 
「これっていいもの?」
 
 
『契約の仲人になる以外はただの備品。現在も古着として流通。』
 
 
「…で?どう使うの?」
 
 
いくつかのタマゴの中身の解説ページへと飛んだ。
 
 
『不明』
 
 
「・・・。」

 
話途中で帽子を持ちさっそくかぶろうとするマールの手をニコスが止めた。
 
 
「マール、こんな小汚い帽子を使うのやめておけよ」
 
 
そう言われマールは手を止めた。
 
 
「契約しないと意味がないんだぞ」
 
 
「まぁ、でもそれっぽい感じだからいいんじゃない?」
 
 
リリーの映像が終わった。
目つきが鋭くなったニコスはマールに言う。

 

「鳥の帽子だぞ!鳥なんかの…」
 
 
「…。」
 
 
ニコスの顔は今まで見たこともないくらい怖い顔をしていた。


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